2009.04.14
「深海のYrr」
プリンストンはサンディエゴと違って毎日晴れているわけではなく、最近は週に2日くらい雨が降る。雨が降ったらどこにも行かない。家でお菓子を食べながら、ずーっと本を読んでいる。
最近読んだのは、フランク・シェッツィングの「深海のYrr」。映画化されることも決まったらしい。けっこう分厚い文庫で、上・中・下巻。そのうえ、ドイツ人が書いた外国の小説なので、登場人物の名前はみな片仮名(翻訳してあるのでね)。
私は片仮名の人名や地名にめっぽう弱い。まったく覚えられないうえ、覚えたつもりでもいつのまにか自分の言いやすい名前に勝手に変えてしまったりする。この手の長編小説は、最初に登場人物を紹介するページがたいていあるので、そこにしおりを挟んで、何度も何度も繰り返し確認することになる。翻訳する時、ついでに人名を「トム」とか「ジョン」みたいな簡単な名前に変えておいてくれると助かるのだけど。
この長い小説、ジャンル分けすると、海洋サスペンスとか、エコサスペンスになるらしい。登場人物が多いし(でもどんどん死んでいく)、メタンハイドレードとか石油産業の話とか、やたらにとっつきにくかったけど、途中からはぐいぐい引き込まれた。
みなさんは、人間以外の知的生命体の存在を信じますか?
私は信じます。それは宇宙の果てに存在する人間に似た形の生物かもしれないし、海の底にいる単細胞生物かもしれない。
私は最近のエコブームにはあまり関心がない。でも、地球を支配しているのは人間ではないのかもしれないと、ずっと前から思っていた。46億年前に地球が誕生して以来、ホモサピエンス(現在のヒト)が出現したのは、20万年前。地球の長い長い歴史の中で、今がたまたま人間の全盛期なだけで、きっといつかは滅びるのだ。それを考えると、この小説の中で知的生命体だと捉えられているバクテリアはすごい。厳しい氷河期や、生物が大量に絶滅したペルム紀だって生き抜いてきたのだから。
たいていの人間はクモやミミズを見ると嫌悪感を覚える。長いたくさんの足や、ヌルヌルした皮膚感は、人間の価値観的には好ましくないからだ。たしかにクモやミミズは知的生命体とは言えないけれど、彼らの本能やルールに従って世界を築き、種を守ろうとしている。知性と文化を持っているからといって、人間ばかりが地球の主役のような顔をしてもいいのだろうか。
だから私は家に入り込んできたハエもクモも殺せないのだと言ったら、トムに「そんな宗教みたいな話はやめてくれ」と言われました。宗教じゃなくて生物の話なのにー!

私は片仮名の人名や地名にめっぽう弱い。まったく覚えられないうえ、覚えたつもりでもいつのまにか自分の言いやすい名前に勝手に変えてしまったりする。この手の長編小説は、最初に登場人物を紹介するページがたいていあるので、そこにしおりを挟んで、何度も何度も繰り返し確認することになる。翻訳する時、ついでに人名を「トム」とか「ジョン」みたいな簡単な名前に変えておいてくれると助かるのだけど。
この長い小説、ジャンル分けすると、海洋サスペンスとか、エコサスペンスになるらしい。登場人物が多いし(でもどんどん死んでいく)、メタンハイドレードとか石油産業の話とか、やたらにとっつきにくかったけど、途中からはぐいぐい引き込まれた。
みなさんは、人間以外の知的生命体の存在を信じますか?
私は信じます。それは宇宙の果てに存在する人間に似た形の生物かもしれないし、海の底にいる単細胞生物かもしれない。
私は最近のエコブームにはあまり関心がない。でも、地球を支配しているのは人間ではないのかもしれないと、ずっと前から思っていた。46億年前に地球が誕生して以来、ホモサピエンス(現在のヒト)が出現したのは、20万年前。地球の長い長い歴史の中で、今がたまたま人間の全盛期なだけで、きっといつかは滅びるのだ。それを考えると、この小説の中で知的生命体だと捉えられているバクテリアはすごい。厳しい氷河期や、生物が大量に絶滅したペルム紀だって生き抜いてきたのだから。
たいていの人間はクモやミミズを見ると嫌悪感を覚える。長いたくさんの足や、ヌルヌルした皮膚感は、人間の価値観的には好ましくないからだ。たしかにクモやミミズは知的生命体とは言えないけれど、彼らの本能やルールに従って世界を築き、種を守ろうとしている。知性と文化を持っているからといって、人間ばかりが地球の主役のような顔をしてもいいのだろうか。
だから私は家に入り込んできたハエもクモも殺せないのだと言ったら、トムに「そんな宗教みたいな話はやめてくれ」と言われました。宗教じゃなくて生物の話なのにー!
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