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2017.05.18

スコットランドで膀胱炎

女子のみなさまはわりと膀胱炎経験者が多いのではなかろうか。最近はめっきりご無沙汰だけど、私も昔2〜3回膀胱炎になったことがある。

頻尿、排尿痛、白濁した尿、熱っぽさ、軽い腹痛。

お昼過ぎにちょっと違和感を感じ、ひどくならなければいいなと思っていたのに、夕方トムが帰宅した頃に5分に1度トイレに行かなければ気が済まなくなっていた。

「明日まで我慢できる?」「絶対無理!今すぐ抗生物質を飲みたい」

今まで病院に縁がなかったので、会社の人に救急病院を聞いて急いで出かけた。正直外出なんてもってのほかだ。トムは漏らしてもいいようにパットを当てておけとか適当なことを言う。

Western General Hospital までは車で10分足らず。ただし、巨大な病院で駐車場もあちこちにあるため、どこに行ったらいいのかさっぱりわからない。適当に車を停め、近くの建物に入るも無人。しばらくして通りかかった人に緊急の窓口を教えてもらいそちらに向かうも、ここは迷路かっ!

やっと辿り着いた救急の受付の女性に事情を説明すると、まずは111(NHS24の電話相談窓口)に電話して予約を取って、別棟の時間外GPに行けと言う。

NHSとはイギリス政府が運営する国民保険サービスのこと。私たちのような外国人の住民も同じようにサービスが受けられる。一部自己負担の場合もあるが、ほぼ無料。

GPというのは General Practitioner の略でプライマルケアを担当するかかりつけ医のこと。まず近所のGPに登録して予約をし診察してもらうのが基本的な受診の流れだが、なんと私たちはまだGP登録を済ませていなかった!引っ越しするのが分かっていたし、夫婦揃って健康で病院にかかることもなさそうだし、そのうちね、なんて思っているうちにこの有様。

トムがその場で111に電話をかけてスピーカーホンで話しているのを横で尿意と戦いながら聞いていた。

すごく優しい!英語がわかりやすい!日本語の名前の発音も完璧!アドバイスが的確!

私たちがすでに病院にいることを伝えたら、同じ病院内の時間外GPの予約を取ってくれた。1時間後とはいえ、診てもらえるだけでありがたい。これで抗生物質がもらえると思うと安心して力が抜けた。

時間外GPの受付に行くと、なぜか漂うカレー臭。受付のおばちゃんはカレーディナーの真っ最中だった。GP登録をしていないことを軽く怒られ、80ポンドかかるけどいい?と聞かれる。全然OK、80ポンドに値するよ。ちなみに明日GP登録して書類を渡せば全額戻って来るらしい。そのおばちゃんともう1人受付のおばあちゃんと警備のおじいちゃんの3人で楽しげに談笑していてゆるーい雰囲気。シニアが活躍できる場があるのはいいことです。

水をせっせと飲み、尿意を我慢してやっと採尿。私を担当してくれた同世代だと思われる女性の医師は、とても礼儀正しく誠実な印象の人であった。きちんと私の目を見てゆっくり話してくれる。お腹を触診する時に「手が冷たくってごめんなさいね」と言いながら両手のひらをさするのは日本と同じだ。何より、たかが膀胱炎で時間外診療なんて、という雰囲気はまったくなかった。正直、それを一番心配していたのだ。全然期待していなかったイギリスの医療、思ったよりずっといい!

帰宅は夜の11時だったが、もらった抗生物質を飲んだらあっという間に症状が落ち着いて夜もちゃんと眠れた。

おかげさまで2日後の今は、何もなかったように元気いっぱいです。