2012.06.02

しまなみ海道100キロウルトラ遠足 その4

最後の島、大島上陸。ずっと疲れ知らずできたけれど、この辺りからエイドが遠く感じられるようになった。宮窪漁港にある第15エイドが75.6キロ地点。


shimanami32ここからひと山越えて、反対側の海岸線に出る。それほど急ではないけれど、だらだらと上り坂が続く。当然歩く。今度は坂をだらだらと下り(もちろん走る)、やっと80.7キロ地点の次のエイドに辿り着いた。


shimanami33エイドはこんなにきれいなバラ公園の中にある。

トイレの順番待ちで立っている時に、立ちくらみが止まらなかった。この時には体の疲れをかなり自覚していた。それでも、上り坂と階段以外では歩かないというルールはまだ守っている。


バラ公園を出て、海沿いの道に出たらすぐ次の来島海峡大橋が見えてくると思ったのに、走れど走れど見えてこない。途中、神戸大学ランニングサークルの男女3人を走って抜かした時には誇らしい気分になった。まだまだ若いもんには負けんからね。

平らな道でトムが「膝が痛いので少し歩こう」と言った。初めての掟破りだ。そこまでヨロヨロとやっと走ってきた私も、いったん歩き始めると再び走り始めるのがとても億劫になる。トムが「じゃ、走ろうか」と言った時には、「まだ走れないからしばらく歩きたい」と言ってしまった。「ゴールに間に合うのがわかってから歩いたほうがいい」とトムに叱咤されたので、「橋に上ったら必ず走るから」と約束して、そこまでは歩かせてもらった。

shimanami34最後の来島海峡大橋は第1第2第3と3つの橋が繋がっていて、全長は4キロを超える。橋に上るまでも長かったけど、橋そのものもとことん長い。トムと約束したとおり、橋を渡り始めたら、ちゃんと走った。橋の前半部分は当然上り。脚は重かったけど意地で走った。トムが付いてこられないくらいだった。やっと下り部分が始まってほっとしたら、突然また上り坂になった。ここで気持ちが切れてしまい、歩き始めた。追い付いてきたトムも一緒に。

上りでたくさん抜かした人に、今度はどんどん抜かされる。「心が負けたらダメだよ」と励ましてくれる人もいる。トムと手を繋いで歩きながら、いつか復活できるはずだとその時を待った。こんなつらい時間はそんなに長く続かないはずだ。きっと、また走れるようになる。

時間はまだそこそこあるから、走ったり歩いたりを繰り返せば制限時間に間に合う。でも、もうトボトボ歩きしかできなかった。悔しくて悲しくて、しゃくりながら歩いた(辺りが暗くて良かった)。橋を渡り終えて、くるくる回る下り坂を歩く頃には、もう歩くことさえままならなかった。トムに「行けるならひとりで先に行っていいよ」と言ったけど、トムも「俺もたぶんダメだから一緒にリタイヤする」と言う。電話して父に迎えに来てもらおうと思ったら、すぐ先の第18エイド(91.9キロ地点)にいるとのこと。リタイヤを決意してからほとんど歩かずに父と合流できた。制限時間まで残すところ1時間10分。

荷物を取りに行くために、車でゴール地点に向かう。車窓から、最後の力を振り絞って走る人たちの姿が見える。あとゴールまで8キロだったけど、車でも8キロって長いんだな。普段だったらゆっくり走っても50分かからないのに。

shimanami35今治繊維リソースセンターにあるゴールゲートはこんな感じ。これは姉がゴールする頃の様子。姉は去年の自分の記録を更新して、12時間台でゴールした。



車から下ろしてもらい、ゴール地点の横を通った。みんなが笑顔でゴールする。まぶしいな。私もあんなふうにゴールしたかったな。

荷物を受け取り、受付の時にもらった2500円分の金券で地元の名産品や飲み物などを購入(私はそんな気力も体力もなくぼーっとしていた)。

具合は悪いし、食欲はないし、正直すぐお風呂に入って横になりたいと思ったけれど、さんざん待たせてしまった家族に付き合って、そのまま焼肉を食べに行った。

85キロ地点でもう一生ウルトラはいいや、と思っていたのに、ごはんを食べながら、来年走る時はこうするああする、とそんな話ばかりしていた。

だって、80キロくらいまではどこも痛くなくて、本当に楽しくて楽しくてたまらなかったんだもの。つらかったのは、最後のちょっとだけ。瀬戸内の美しい風景を見て、地元の人の優しい心の触れ、家族に応援してもらい、トムと一緒に走った92キロ。

本当に走ってよかった。
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