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2007.05.25

最近読んだ本

最近よく本を読んでいる。この1ヶ月で10冊以上読んだのではなかろうか。


嫌われ松子の一生「嫌われ松子の一生」


映画化、ドラマ化されてすっかり有名になったこの小説。1人の女性の転落の人生、波乱の生涯と言ってしまえばそれまでだけど、私はむしろ松子は平凡な女性なのだと思う。ひたむきに、一生懸命生きているだけなのに、なぜかうまくいかない。誰だって人生のレールをちょっと踏み外すだけで、松子になりうる。


世間一般に言われるところの「幸せ」とは程遠い松子の人生だけど、ただ不幸だっただけではなく、一瞬一瞬の小さな輝きは、彼女の人生にもたくさんあったはずだ。私には、ただの不幸な女には思えない。


レディ・ジョーカー〈上〉「レディ・ジョーカー(上)(下)」


何より最初に驚いたのは、この分厚い上下巻の文字がとても小さいことであった。そして冒頭にある人物紹介。古い文体の手紙形式で始まる本文。いやー、とっつきにくかった。


しかし、少し読み始めたらぐいぐい引き込まれ、睡眠時間を減らしてまで読むハメに。サスペンスというより、大企業という組織のしがらみや裏社会との関係、警察内部の独特の構造がストーリーの中心。登場人物が多いけど、それぞれの心理描写が見事。いらぬ心配だが、トムには、大企業の社長になってほしくない、とつくづく思った。普段は社内外の社交や政治的な策略で頭を悩まし、あげくのはて誘拐され脅迫され、刑事被告人になって、最後には撃たれて殺される。なんて大変な仕事なんだー。


使命と魂のリミット「使命と魂のリミット」


小さい頃から医学サスペンスが好きだった。今やオヤジ向けエロ小説ばかり書いている渡辺淳一の初期の、病院が舞台の小説を読んで、大学病院で偉くなるためには色々と政治的な配慮が必要なことを、子供ながらに学んだのだ。


この小説は、サスペンスの要素はあるが、ラストは思いっきり爽やかでハッピーエンド。ちょっと物足りない。人間ってそうじゃないだろーっと突っ込みたくなる。この小説も心臓外科の話だが、ドラマで「医龍」を観てからバチスタ(左心室縮小形成術)がマイブーム。今は、「チーム・バチスタの栄光」を読んでいます。


いつもたくさんの本を貸してくれる友人たち、この場を借りてお礼を言います。どうもありがとう。


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この記事へのコメント
マルコさん、ご無沙汰しています。地獄の母の日が終わったのも束の間、その後もイベント続きで仕事が忙しく、ブログに割ける時間が持てずに歯がゆい思いをしていたのですが、ここに来てようやく時間的なゆとりが。というわけで早速こちらへ飛んで来たのですが、僕も読みましたよ、「嫌われ松子の一生
」。なかなか面白かったですよね。僕も、松子に好意を抱いた派のひとりです。ピュアな性格が災いの元になってしまった、可哀想な女性ですよね。一歩踏み外したことで、その後の一生に影響する。これって誰にでも起こりえることだと思います。怖いなぁ。
Posted by matthew at 2007.05.26 16:17 | 編集
本はヒッキーのマストアイテムなので、今後も色々仕入れる予定ですよ。
面白いのがあったら、またお貸ししますね。

『チームバチスタの栄光』は、バチスタ好きならばたまらないと思います。
これの続編&スピンオフも1冊ずつあるのですが、バチスタの栄光に比べると、ちょっと・・・・。な感じなのですよ。
でも、もし良かったらお貸しします。
暇つぶしには十二分になると思いますので。
Posted by あづ。 at 2007.05.29 18:54 | 編集
「嫌われ松子の一生」はドラマと映画で観ました。
僕もtomoさんと同じで、なんとたくましくひたむきに一生懸命生きている女性なんだ、と思いました。
やっぱり原作も読んでみるべきかな。
他の2冊も気になりますね。本屋さんではよく見かけるんですけど、つい他の本(新書や時代小説)を買ってしまいます。
それにしても1ヶ月で10冊とは、なかなかの読書量ですね。素晴らしい!!
僕もこれから1ヶ月は読書強化月間(つい先日20冊買ったので(^^;)にしようと思っています。
Posted by かねごん at 2007.05.29 21:22 | 編集
>matthewさん
matthewさん、あい変わらずお忙しそうですねぇ。いつもそんなに忙しくて体は大丈夫なのだろうか、とか、Kevinさんと愛を育む時間はあるのだろうか、などと余計な心配をしておりますよ(笑)。
そんなお忙しいmattewさんも「嫌われ松子の一生」を読まれただなんて!
松子の人生はどんどん転落していく一方でしたが、私にはとても他人事には思えませんでした。一生懸命生きていても、必ず報われるとは限らないというところが、むしろリアルだと思います。

>あづ。さん
あづ。さんのおかげで、アメリカにいても、日本の面白い本を不自由なく楽しめて、本当に感謝しています♪
そしてあづ。さんのセレクションは素晴らしい!ミステリー好きという共通点はありますが、それにしてもお借りした本はどれも面白い!自分だと選ばないような作品が、実はとてもツボにはまったりして、新しい世界を発見させてもらっています。
「チームバチスタの栄光」はキョーレツキャラの白鳥さんにぐっと惹かれました。ちょっと伊良部に通じるところを感じます(笑)。ぜひ続編も貸してくださーい。

>かねごんさん
私はまだドラマと映画は観ていないのですが、これから観る予定です。かなり原作と雰囲気は違うようですが、それはそれで面白いという話を聞き、楽しみにしています。
かねごんさんはかなりの読書家ではないかと推測しておりますよ。面白い本があったら紹介してくださいね。
私は子供がいない専業主婦という、世の中で一番時間に余裕があるカテゴリーに属しているので、本を読む時間はたくさんあるのです(笑)。ただ、アメリカにいると、日本の本は値段が高いので、自分ではなかなか買う気が起きません。
Posted by tomo at 2007.05.30 07:39 | 編集
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