2007.06.03

フルマラソン完走記

去年に引き続き2回目のチャレンジとなる、サンディエゴロックンロールマラソン。前日は夜10時半にベッドに入ったが、全然寝付けなかった。まるで遠足前の子供状態だ。結局ウトウトできたのは30分ほど。3時半に起床し、玄米おにぎりを作った。2個ずつ食べるつもりが、昨日食べた大量のパスタのせいで全然お腹が空いておらず、結局1個だけ食べた。あんなに食べたのに、朝ウンチが出なかったことが唯一の不安材料。普段は快便ちゃんなのに。いつもより体重が1キロちょっと重いままのスタートだ。結局レース中は便意はもよおさなかったのだけどね。


早朝にもかかわらず、あづ。さんが車で迎えに来てくれて、スタート地点を目指す。トムが初参加した大会からこれで3回目。スタート地点までいかに渋滞を回避して辿り着くか、すでに検討済み。スタート地点に着いたら、すぐ長いトイレの列に並ぶ。トイレ待ちの時間は約20分。その間にストレッチなど準備運動を済ます。今年感動したのは、スタート地点はもちろん、コースのすべてのトイレに紙が完備してあり、便器もきれいだったこと。去年のトイレ事情は思い出しても悲しい。


曇り空の下、21400人のランナーたちが一斉にスタート。スタートから2マイルほどは人が多くて思うように走れない。1マイル10分のペースで走る予定が、大幅にオーバー。なんだかいらいらしてしまった。去年はただひたすら楽しくてたまらなかったのに。タイムを気にしていると精神状態がこんなに違うものなのか。走りやすくなってからは、せっせと最初の遅れを取り戻す。恒例の、バルボア公園の植え込みでの立ちション光景を撮影するTVカメラを見てちょっと脱力(なんと今年はトムも参加していたらしい!)。その直後、トムの後ろ姿を発見。しばらく一緒に走ることにする。去年とまったく同じ場所、約7マイル地点で、あづ。さんがまた応援してくれていた。ダウンタウンのこの辺りは、観戦者が多く、気分も盛り上がる。トムが少しペースを落としたので、それからはひとりでぐんぐん走る。高速道路I-163は、途中までだらだらと長い上り坂が続くが、日頃の上り坂トレーニングが功を奏し、私は楽勝。ペースを落とす多くの人をごぼう抜き。私はむしろ平地よりペースが速かったくらいだ。しかしI-163の後半1.5マイルほどは下り坂。下り坂ではあえてゆっくりペースを保つように気をつけている私は、さっき抜いたばかりのアメリカ人たちにまた抜かれてしまった。


17マイル地点去年はI-163に入る前に、混んでいるトイレにはまって失敗したので、今年はできるだけ我慢。ハーフ直前で初めてトイレに行った。トイレタイムに3分ほど費やした後、走り始めたら再びトムの姿を発見。そしてまたすぐ抜いた。ハーフのタイムは2時間15分。予定より5分遅いが、まずまずのペース。まだあまり疲れも感じていない。17マイル地点であづ。さんと合流した noirさん夫妻が待っていてくれた。なんと、お手製の日の丸の旗持参だ。事前に渡しておいたエネルギーゼリーを飲んだりして一休み。そうこうしているうちにトムもやってきた。


トムと私またトムと一緒に走り始めたのだが、私のほうが設定ペースが速いので、先を行くことに。しかし、膀胱の調子が悪く、すぐ尿意をもよおしてしまう私は、またもトイレに。その後、ゴールまでにいったい何回トイレに行ったことだろう。たぶん全部で10回は行った。尿意をもよおしても、実際にトイレに行くと、たいして出ない。膀胱炎になりかけているみたいだ。水分を摂ったほうがいいのはわかっているけど、頻繁にトイレに行くのが嫌なので後半は水分を飲むのを控えめにした。


去年歩いてしまった、18マイルからはやはりつらい。足が上がらなくなる。痛くなったのは骨盤から股関節にかけてとふくらはぎ。それと、なぜか肩と背中が張って重くなった。大柄なアメリカ人が歩いているのとあまり変わらないスピードになってしまったけど、それでもとりあえず走り続けた。一番ペースが落ちたのが、19マイルから20マイルの地点。


21.5マイル地点21マイル地点からはサンディエゴリバーの土手を走る。平坦だけど退屈な道で、去年は歩くのでさえとてもつらかった。noirさんから電話が入り、半マイル先で待っていると言う。嬉しくて嬉しくて不思議と急に足が軽くなる。またも日の丸旗を持って応援してくれる友人たち。トムもほんの3、4分前に通過したばかりだと聞いた。土手の先に、唯一の折り返しがあって、少し先を走るランナーとすれ違う。目を凝らして走っていると、トム発見。距離にして400メートルほど先か。せっかくだからトムに追い付こうと思い、足が痛いのも忘れてせっせと走る。とはいえ、その間にも何度もトイレに立ち寄り、足止めをくらってしまった。タイムを見ると、ゆっくりでも走り続ければなんとか5時間を切れそうな感じ。少しでも歩いたら間に合わない。ここまで走り続けたのだ。最後まで走ってゴールしようと決意をあらたにする。


24マイルからの2.2マイルはとても長く感じた。ゴールが近いという高揚感でなんとか足は動くのだが、なかなか次のマイル表示が出てこない。ゴールである、ミリタリーの敷地内に入って、フィニッシュラインまであとハーフマイル弱の地点でまたもあづ。さんnoirさんJさんと再会。トムも2分ほど前に通ったばかりらしい。なんとかトムと一緒にゴールしたいと思い、最後の力をふりしぼってラストスパートしたが、追いつけず。私のタイムは4時間56分15秒。完走者15958人中8630位。去年よりずっといい!トムは私より1分20秒先にゴールしていた。


ゴールまであとハーフマイル

←ゴール真近で余裕の笑顔。日の丸応援団はとても目立っていた。




あんなにトレーニングしたのにもかかわらず、去年とまったく同じ地点で足がつらくなった。去年との違いは精神力だ。去年は足が動かないと思ったらすぐ歩いた。だからゴールが近付いたら妙に元気に走れたし、ゴール後も余力があった。今年は無理矢理に足を動かして走り続けた。すべての行程を走るのが今年の一番の目標だったからだ。ゴールしたら涙が出てきた。自分でも死力を尽くして頑張ったと思えたから。頑張れたのは、友人たちの応援のおかげ。特に一番苦しい21マイル近辺で応援してくれたのは大きい。友人たちが待っていると思うと、急に足が軽くなるのだ。本当に。もう1つは、トムの姿を何度も目にしたこと。去年はスタートから1マイル一緒に走ったきり、ゴールまで2度とその姿を見ることはなかった。今年は、自分でもびっくりするくらい、偶然トムに会った。2人のラップタイムを並べてみると、一番離れている時でもせいぜいハーフマイルくらいだったのではなかろうか。トムの黄色いシャツは大勢の中にいても非常に目立った。その黄色い背中を後ろから見ながら、なんとかトムについていこうと頑張った。


トムは今回、ほとんどトレーニングしていないのに、自分の思う通りのペースで走れたことで自信をつけたらしく、来年ももちろん出場するし、年末のホノルルマラソンにも出たいと言っている。一方私は、20マイル付近のつらい所を走っている時も、ゴールした直後も、家に帰ってからも、その後の昼寝から目覚めた後も、もう2度とフルマラソンは走りたくないと思った。今までの人生のなかで、一番の肉体的苦痛だったからだ。しかし実は、この記事を書いている、マラソン翌日の今、私もまた走ってもいいかなと思い始めた。あんなにしんどい思いをしてまで走る理由など自分でもよくわからない。恐るべし、フルマラソンの魅力。


ゴール後のトムと私今年で第10回を迎えたサンディエゴのロックンロールマラソンは、有名なバルボア公園からスタート。ダウンタウンのPETCO球場をめぐり、高速道路を通って、ミッションベイを走り抜け、ミリタリーの敷地でゴールというサンディエゴの観光ポイントを満喫できるコース。走っている間の平均気温は20℃弱で湿度も低く、非常にコンディションがいい。約1マイルごとにバンドがロックを生演奏して大会を盛り上げ、地元の高校生のチアガール数十組も沿道で応援してくれる。扮装したエルビス軍団は毎年増え続け、ランナーや観戦者を楽しませてくれる。日本人にはホノルルマラソンが人気だけど、サンディエゴのロックンロールマラソンもなかなかいいものだよ。トムはいつか日本に帰国しても、マラソンを走るために年に1回サンディエゴに来たいと言っている。


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この記事へのコメント
tomoさん!!完走おめでとうございます!!!!
実は私もショーンと一緒に19マイル地点でtomoさんが通過するのをカメラを持って待っていたのです。
でも残念ながらtomoさんを見つけることができませんでした(涙)
21400人中、15958人が完走だったんですね。
フルマラソンを完走することがどんなに大変で過酷なことか、数字があらわしていますね。

本当にお疲れ様でしたー!!
Posted by Mayumin at 2007.06.06 09:28 | 編集
>Mayuminさん
Mayuminさんは19マイル地点(Crown Point)にいたのですねー。私は19マイル地点を通過したのは10時20分頃。予定よりちょっと遅かったかもー。しんどくて最もスピードが落ちていた所です。Mayuminさんがいるとしたらその辺りだと思って、キョロキョロしていたのですよ。せっかく待っていてくれたのに、お会いできなくて残念。電話すればよかったねぇ。
Mayuminさんのお友達も、無事完走できましたか?サンディエゴでのマラソンは、コンディションがとてもいいので、きっと楽しめたことと思います。
ロックンロールマラソンは7時間でカットなので、完走できない人もけっこういるのですよ。ちなみにホノルルマラソンは制限時間がないので完走率が高いのです。
来年は Mayuminさんもいかがですか~(笑)?
Posted by tomo at 2007.06.06 09:44 | 編集
写真を見て、こんな長距離を進んで走る人がいっぱいいること、そしてゴール地点でもtomoさんが笑顔なことに驚きを感じました。
しかし目からウロコだったのは、トイレ。
そうか…4時間以上かかるのだからトイレにも行きたくなりますよね。

改めてフルマラソン、未知の世界だ…と強く思いました。
(勿論トイレのことだけじゃなくて。/笑)
本当に完走おめでとうございます。
そしてお疲れ様でした。
Posted by がら at 2007.06.06 12:35 | 編集
うーん、すごいですね。感動しました。それにしてもフルマラソンって事前の準備から当日のいろいろなことまで、本当に大変なのですね。でも完走した充実感は、相当なものだろうなと想像します。いつか、想像だけでなく、自分でもその高揚感を味わってみたいと思います。トムがまたすごいですね。練習もせずにフルマラソン完走とは。。。いやいや、二人揃ってたいしたご夫婦です。敬礼!
Posted by H at 2007.06.06 13:37 | 編集
>がらさん
不思議でしょう?フルマラソンを走る人、こんなにたくさんいるのですよ。世界中の大会で、それぞれ何万人の参加者がいることに本当に驚きます。
笑顔なのは、ゴール直前だからですよ(笑)。最後の1、2マイルはペースも速くなるものです。逆に一番つらい20マイル辺りは、涙を浮かべながら走っていました。
マラソン大会って、テレビで観ている分には、誰もトイレに行っていないように見えますよね。実際2時間台で走るエリートランナーたちは、トイレに行かないだろうし。彼らは当然お腹も空かないので、エネルギー補給をする必要があまりないのですよ。ゴールに時間がかかるランナーならではの悩みです。

>Hさん
赤裸々な内容の記事で失礼いたしました(笑)。
去年は初めてだったので、怖いもの知らず、行き当たりばったりでのチャレンジだったのですが、今年は2回目だったので、いろいろと事前に考えることもありました。これも戦略ということなのでょうか(笑)。
トムはフルマラソンに向けてのトレーニングはしていないとはいっても、基本的に1年中走っていますからね、なんとかなるものです。走り終わった日の夜には、次回へのあらたな闘志を燃やして、マラソンのトレーニング本を読んでいました。私以上に充実感のあるレースだったようです。
Posted by tomo at 2007.06.07 14:29 | 編集
素晴らしい!!感動です。
相当精神力が必要だと思うし、準備も大変だと思いますが、
しっかり走ってゴールしたっていうことが凄いです。
達成感、充実感は相当なものでしょうね。そりゃ涙も出ますよ。
ポスト読んでいて、僕も走ってみたいなぁってかなり思いました。
本当にお疲れ様でした。
Posted by かねごん at 2007.06.08 00:52 | 編集
>かねごんさん
去年は30キロ過ぎた辺りから8キロぐらい歩いてしまったのです。一応7時間以内にゴールすれば、「完走した」ことにはなるのですが、自分としては完走した気がしませんでした。
今年は亀のような走りの部分もありましたが、一応最後まで走りきったので、ちゃんと完走したと胸を張って言えます。
フルマラソンはとてもしんどいけど、特別な達成感があります。そして、とても孤独な時間なように思えますが、一緒に走っているランナーたちはみな仲間だと思えるのですよ。
かねごんさんも、MBTで足を鍛えて(笑)、ぜひいつか、フルマラソンにもチャレンジしてみてくださいね♪
Posted by tomo at 2007.06.08 13:27 | 編集
遅ればせながら、完走おめでとうございま~す!!パチパチパチ!!!
やはり今回が本当の意味での完走ですよね。きっと感激もひとしおでしょう!
私も初フルは4時間50分台でした。マイルだとピンと来ないけど、38キロあたりが一番きつかった憶えがあります。
市民ランナーと言えど、フルマラソンは自分との戦いですよねぇ~。
だって、歩いても言い訳すれば、周囲の友人は納得してくれるでしょうし、言い訳が効かないのは自分にだけだもん。ゴールで自分を納得させるためだけに走り続けるんですよねぇ。

tomoさん偉い!自分との約束を守ったんですね!

トイレ事情はレース前もレース中も悩みのタネですね。分かります。でも、ガマンはダメですよぉ~。お水も飲んでね!湿度が低いと気がつかないうちに脱水状態になります。危ないですよ!

私も少しづつ、踵と腰の調子がよくなってきたので、今週からウォーキングです。道のりは長いわ~。でも、またチャレンジするつもりです。
まったく、皆なんでこんなしんどいことをやりたがるんでしょうねぇ~。。。
Posted by ソレイユ@レッツゴー!3匹 at 2007.06.08 22:30 | 編集
>ソレイユさん
ありがとうございますー!無事完走できました。
ソレイユさんの初フルマラソン、4時間台だったのですねぇ。素晴らしい!
私は去年も今年も30キロ辺りが一番苦しかったです。足が急に上がらなくなって。最後5キロくらいになると、もう少しでゴールだと思いながら走れるので、だいぶん楽になります。精神的なものも大きいですね。
たしかに、歩いても誰かに文句を言われるわけでなく、罰金を支払わせられるわけでなく(笑)、なぜに最後まで走ることにこだわったのか。やはり自分で決めた目標だからでしょうね。
日本のマラソン大会でのトイレ事情も同じようなものなのですね。私は今までテレビでしかマラソンを見たことがなかったので、ランナーが途中でトイレに行くということさえ気付きませんでした(笑)。参加者が多いホノルルマラソンなんて、なおさら大変そうだなー。
ソレイユさんも復活のウォーキングなのですね。そう、マラソンのトレーニングって本当に地道。なぜ走るのか自分でもわかりませぬ(笑)。お互い頑張りましょう♪
Posted by tomo at 2007.06.09 13:13 | 編集
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