2007.09.29

50マイル自転車レース挑戦記

いよいよレース当日。朝5時に起きて、ハイドレーションパックに持参した水を入れたり、自転車の最終整備をしたりして、7時前にホテルを出発。私たちが泊まっているホテルは、ゴール地点のすぐ近くにある、ロサリトまでのシャトルバス乗り場からすぐ。街中はお祭りムードなどなく、早朝らしく静まり返っている。レースの参加者の姿もまばら。


シャトルバス

←閑散とした雰囲気のシャトルバス乗り場。シャトルバスは、後ろに自転車を乗せられる荷台をつけている。




シャトルバスに乗って、一路スタート地点のあるロサリトへ。高速道路を使い、かつ最短距離だというのに、バスでも1時間10分かかった。シャトルバスから降ろされた地点は、スタートからはるか遠く。2マイルほど自転車に乗って、やっとスタート地点に到着。スタート地点近辺には、路駐した車から自転車を降ろして組み立てる人もたくさん。前泊せずに、直接ロサリトに車でやってくる人も多いようだ。たしかに車を停めるスペースはいくらでもある感じ。スタートの1時間半前だが、スタートラインはすでに多くの参加者で賑わっている。周辺のカフェやタコス屋はすでに営業を始めていて、みなそこで朝ごはんを食べていた。私は温かい飲み物が欲しかったので、すぐ横のホテルの入口の特設カウンターでコーヒーを買い、ついでにそのホテルのトイレを借りた。ホテルの従業員はみな優しく、特にそこで何も買わない人にも、快くトイレを貸してあげていた。フルマラソンのスタートの時のトイレ事情よりずっといい!


 まわりを見渡すと、バリバリのロードバイクにレーサーウェアの人もいれば、古いマウンテンバイクに普通のTシャツ姿の人もいる。かなり乗り古したロードバイクに、ボタンダウンシャツ&ゴルフで履くような綿の短パン&ビーサンという上品な紳士もいる。小学生くらいの子供もけっこういるが、ほとんどがタンデムと呼ばれる2人乗りでお父さんと一緒。しかし、ロードバイクに乗ったかっこいい少年もちゃんといる。エリートレーサーはともかく、仲間や家族と参加している人が圧倒的に多い感じ。アメリカ人ばかりだと予想していたが、メキシコ人もけっこう多い。


スタート地点



←スタート地点で後ろを見渡す。長蛇の列。




いよいよ出発


←いよいよ出発。スタート時は肌寒かったのでベストを着用。




10時にいよいよスタート。最初は自転車が多くて危ないのでみなゆっくりペース。いつまでもゆっくりペースで走っていた私たちはどんどん抜かされていった。今日は無理をしないで軽いギアで走ることにしたのだ。


ロサリト市街では沿道にたくさんの人が応援。子供たちは「キャンディー、プリーズ」と叫んでいる。慣れた参加者は自転車に小さなカゴをつけたりしてそこにキャンディーを入れ、子供たちに投げる。貧しそうな子供たちと、痩せた犬。大家族。でもなぜかそれほど不幸そうには見えない。


ロサリトの市街地を抜けた後は、海沿いの道を走る。沿道にぽつりぽつりと建っているタコス屋などで、早速ビールを飲んでいる人たちもたくさんいて驚いた。コースの途中に路駐して、そこから勝手にスタートしている人もいた。タイミングチップで時間が測るわけではないので、まぁそれもありか。こういう妙にゆるい雰囲気が面白い。


最初の22マイルは平坦な道と書いてあったが、実際はけっこうアップダウンがある。昨日車で下見した時には、「上れないかも」と思った上り坂も、意外と楽々と上れた。16マイル地点で、最初のエイドステーションに到着。海沿いのドライブインのような店の前の広場で、水などもられる。ドライブインの従業員がハンドマイクで「ビール1ドルだよ!」と叫んでいた。もちろん店内のカウンターでビールを飲んで一息つく参加者もたくさん。もちろんそれを咎める人などいない。飲酒運転は黙認されるのか?


賑わう最初のエイドステーション


←最初のエイドステーション。みんなゆっくり休憩する。エリートレーサーのことは知らないけどね。




休憩中


←海の見えるエイドステーションは気持ちいい。つい、のんびりしてしまう。




海沿いの道


←エイドステーションの後の海沿いの道。トムもいます。




一つ目のエイドステーションを過ぎてしばらく海沿いの道を行くと、いよいよコースは内陸に向かう。少し緩やかな上り坂が続いた後、ついに急勾配の坂道が登場。その後延々と緩やかな上り坂が続くのがわかっているので、体力温存のために、早々に自転車を下りて歩き始めた。周りも多くの人が歩いている。トムは頂上で待ってるね、と言い残して、そのまま自転車に乗って行った。写真を撮ったり、キャラメルを食べながらしばらく歩いていたのだが、ふと自転車に乗って漕いでみたら楽勝だったので、そのまま乗り続けることにした。一番軽いギアなので全然進まないが、それでも歩くよりはずっと早い。結局そのまま頂上に到着。トムもまだ着いたばかりだと言い、私が自転車に乗ってやって来たことに心底驚いていた。途中、プロのカメラマンが写真を撮ってくれるスポットがあったのだが、みんな歩いていた中で自転車に乗っていたのが目立ったのか、たくさん写真を撮ってもらえた。ラッキー!


延々と続く上り坂


←こんな坂が2マイル続く。




航空写真







←同じ場所の航空写真(公式サイトより)。山の向こうに広がるのは美しい青い海。




急坂を上りきったところにある2つ目のエイドステーションでトイレを済ませた。ここのトイレも全然混んでいない。その後は緩い上り坂が8マイルも続く。この頃になると、股ではなくて、股の周辺がとても痛くなってきた。股の大事な部分は、サドルの穴部分に守られているおかげでまったく痛くないのだが、当然その周りは長時間圧迫されているため、痛みは避けられない。特に痛いのが、尾てい骨とその辺りの肉と皮膚。股の両サイド、ちょうど足の付け根の部分。下り坂ではできるだけサドルから腰を浮かせて、痛いお尻を休憩させてあげるのだが、歩くのが一番楽。少し歩くだけで、次に乗った時にとても楽になる。


この山の中のコースには、オフィシャルなエイドステーション以外にも、地元の人がお小遣い稼ぎでやっているなんちゃってエイドステーションがたくさんあった。バナナや水を売っていたり、仮設トイレまで置いてあるところもある。ちなみに仮設トイレは1人50セントだが、有料なだけに、紙がないと文句を言うと、「ごめんね」とすぐさま持って来てくれた。その他にも、通行止めになっているはずの上り坂の途中に大型タクシーやトラックが待機していて、上り坂だけタクシーを利用したり、リタイヤしてゴールまで乗せていってもらっている人もいた。地元の人のお金儲けが目的とはいえ、かゆい所に手が届くサービスに、ある意味感激。


砂漠の中の道


←山の上の砂漠の中の道をひたすら走る。前を走っているのはトム。




延々と続いた上り坂がやっと終わり、8マイル続く下り坂がスタート。体重が軽い私は、ブレーキをしていない時でも、巨漢の人たちにどんどん抜かされてしまう。下り坂はスピードが出るので怖いけれど、お尻を休ませてあげられるので気持ちいい。下りの8マイルは本当にあっという間だった。


また海沿いの道に戻ると、あとは本当に平らな道を10マイル行くだけ。もうゴールしたも同然だ。今までギアを軽くてしてゆっくり漕いでいたけれど、最後の10マイルは鬼漕ぎで頑張った。エンセナーダ市街地のコースは片側通行止めなので、隣りは大渋滞中の車たち。車の中から子供が手を振ってくれる。トムと仲良く一緒にゴール。タイムは5時間51分。お尻が痛い以外は、どこもつらくなく、楽しくて楽しくて笑いが止まらないレースであった。


鬼漕ぎ中トムも鬼漕ぎ




ゴールの近くの広場では、フィニッシュラインフィエスタをやっている。タコスなどの屋台がそりゃもうたくさん出ていて、みな大騒ぎ。その奥でやっとメダルを受け取った。


無事完走!


←メダルを首からかけてパチリ。達成感でいっぱい。




フィニッシュラインフィエスタ会場


←フィニッシュライン。この広場にはいつも巨大なメキシコ国旗が掲げられている。




そのまま人混みを抜け、自転車を押してホテルに戻る。車に自転車を積み込み、シャワーを浴びて、ごはんを食べに街に繰り出した。ホテルのおじさんや隣りの部屋に泊まっていたおじさんに、トムがおいしいタコス屋さんをリサーチ。タコスを食べ、揚げたてのチュロスを食べ、去年も行ったカフェでコーヒーを飲み、街をぶらぶら。


下半身はだるいけど、筋肉痛というほどではない。一夜漬けで勉強した、ペダリングとギアチェンジのおかげで、足の痛みはほとんどなし。お尻さえ痛くなければ、もっと長い距離だって走れそうだった。軽いギアで足に負荷をかけずに走れば、あとは心肺能力さえあればいいのだ。自転車のトレーニングはほとんどしなかったけれど、トムも私もランニングで鍛えた心肺能力が役立った。


昨日はヘビメタのせいであまり眠れなかったから、今日こそ早く寝ようと7時半に就寝。しかし8時頃にまた聞こえてきた生演奏。今日は男女デュエットのムード歌謡だ。ヘビメタの数倍はいい。しかも客層が大人なせいか、周りも静か。結局またもライブは深夜1時まで続いた。メキシコ人が夜型だというのは本当らしい。


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この記事へのコメント
完走お疲れ様でした。
とっても楽しい様子が伝わってきて、すごく羨ましいです。
せかせかしてない雰囲気がとっても良いですね。
上り坂も結局ほとんど歩かずに乗られたみたいだし、気持ち良かったでしょう。それも、日々のランニングなどのトレーニングの賜物ですね。
自分が走ったわけではないのに、なぜか清々しい気持ちです。
ありがとうございます。
Posted by かねごん at 2007.10.02 21:49 | 編集
>かねごんさん
とても楽しいレースでした。随所にメキシコらしいゆるーい雰囲気を感じられて、リラックスできました。
実は自転車のトレーニングは全然していないのですよ。最後にロングライドしたの、いつだろ~?というくらい(笑)。それでも完走できたのは、楽しみながらゆっくり走ったからでしょうか。
レースというより、お祭り気分で参加できて良かったです。
こちらこそ、応援ありがとうございました。
Posted by tomo at 2007.10.03 10:37 | 編集
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