2010.12.12

2010ホノルルマラソン ~ハーフからゴールまで

ハーフでのタイムは2:00:08。近くを走っていた女子2人組が、「このままだと4時間切り行けるよ」と話していた。自分では、「難しいかなー」という気持ちと、「後半ペースを上げていく予定なのだから大丈夫!」という気持ちがせめぎ合っていた。

私の目標の1つは、20~25キロか25~30キロのどちらかで、5キロ単位の最速ラップを刻むこと。実際、20~25キロは26:45でレース中最速、25~30キロは27:06(トイレでのロスタイムを除く)で2番目に速いタイムで走った。

そう、懸念していたトイレ問題。28キロ以降のトイレが空いているとガイドブックで読んだので、28キロ過ぎるまでは絶対トイレに行くまいと強く決意していたが、実際は最初から最後までトイレで並んでいる人を見ることはなかった。ボリュームゾーンよりペースが速く、人が少なかったせいだろうか。結局私は予定どおり、28キロ地点を少し過ぎた所にあるトイレに1度行った。時間を計ったら、トイレにかかった時間は50秒。どうでしょ、女子にしては速いでしょ。すっきりした後は、折り返し前のランナーとすれ違う高速道路。有名人を探すも、全然見当たらない。

30キロ地点でのタイムは2:49:38。走りながら計算をする。このまま設定ペースどおりに行けば、4時間切れる!もうトイレに行かなくても大丈夫だし、まだ足は平気。奇跡的に、弱点の右膝もまったく痛くないのだ。ただちょっと脚全体が重いだけ。

それにしてもやたら喉が渇く。かつてこんなに給水が楽しみなレースがあっただろうか。日の出後もしばらくは太陽が雲に隠れていたが、ループでの折り返し辺りから日が照ってきてとても暑くなった。ただ折り返した後だったので太陽に向かって走ることはなく、サングラスはかけずに済んだ。30キロ以降の給水では、1度にかなり多くの水を飲んだし、汗を大量にかいていたので、苦手なゲータレードも積極的に手に取った。私はやらなかったけど、水をかぶったり、水を含ませたスポンジを首に当てたまま走っている人も多かった。走っている間中、自分の汗も他人の汗も辺りに飛び散りまくっていた。

33キロ過ぎくらいに時計を見るとペースが落ち始めているのに気付いた。ずっと同じペースで走っているつもりなのに、少しずつ少しずつペースが落ちていく。一生懸命足を動かしているつもりでも、ペースは全然上がらない。あぁ、ついに壁がやってきたのか。私の壁は33キロだった。脚は痛いわけではなく、まさに棒のよう。心肺は元気なのに、脚だけが言うことを聞いてくれない。ちょうどカハラの住宅地を通っていた。34~35キロのラップがレース中一番遅く、6:27だった。4時間を切るのが難しくなってきたのがわかっていたので、怖くて時計を見ることができなくなってきた。計算も止めた。死に物狂いで頑張っても、ギリギリ4時間を切れない自分の姿を想像してしまった。

ダイヤモンドヘッドのきつい上り坂が始まる38キロ地点くらいで、キャップに青いポンポンを付けた女性に抜かされた。シャツの背中に「HIS COACH」と書いてある。その後ろに3~4人が付いて走っている。

!!!

この人、4時間のペーサーだ。公式ペーサーはいないけど、各ツアーでペーサーを用意していると聞いたことがある。つまり、この人に付いていけば4時間を切れるのか。

最後の難関の急な上り坂を、このペーサーに付いてひたすら走った。何も考えず、ただ付いていくことだけを考えた。彼女は時々振り返って「しっかり手を振って!」とか「絶対離れないで付いてきて~!」とか声を掛けてくれる。いや、私に声を掛けてくれているわけではなくて、HISのツアーの人に声を掛けているのだけど、その時私は完全にその中の一人になっていた。スミマセン、ツアーのお金払ってないのに。

山を上りきると、残り2キロちょっとはずっと下り坂。下りにしてはスピードが出ないけど、必死にペーサーに付いていく。さすがペーサー、上りも下りもちゃんと5:40前後で走っている。ラストスパートをかけながらも、冷静に計算。ん?4時間切れないぞ、私。私はともかく、このペーサーも切れないんじゃない?

ゴール前100メートルくらいでは、JALパックのペーサーの男性と、金髪女性ペーサーも一緒になり、ペーサー団子状態。ペーサーなのに、みんな4時間切れないなんておかしいと思いながら、ふと気付いた。スタート位置によってチップタイム(実測タイム)は違うんだ!みんなは私より後ろのほうからスタートしたから4時間切りなんだ。

そんなことを考えながら、ガッツポーズもバンザイもせずにゴール。チップタイムは4:02:15。

野望は4時間切りだった。現実的な目標は4時間15分切りだった。でも自分なりの予想というものがあるとすれば、まさにギリギリで4時間切れないというものであった。私は自分の今の実力がよくわかっていたんだなー。

4キロ地点でトムと別れて以来、トムの姿を見ていないということは、トムは余裕で4時間を切れたのだろう。普段の練習の走行距離が私の半分というトムを、最後の上り坂で「お先に~♪」と抜かす予定だったけど、なんと最後まで粘れたようだ。

ゴールゲートをくぐってすぐ、トムを見つけることができた。トムは驚いた表情で「速かったねぇ」と言った。予想以上にタフなレースになったから、4時間半くらいかかると思っていたんだって。失礼な!トムは3:53:24でゴールしていた。3時間50分くらいが目標だったみたいなので、ほぼ達成。なんと、一度もトイレに行かなかったのだって!

ゴール後に悔しくて泣くかと思ったけど、ほんの少し目が潤んだくらいだった。泣く暇がないくらい、すぐ反省した。33~38キロのペースが落ちた区間での頑張りが足りなかった。どこかが痛かったわけではないのだ。ペーサーのおかげだけど、その後の上り坂はかなりのスピードで走れたんだから。死に物狂いで走れば、ペースは上げられたはずなのに、どこかにあきらめがあった。死に物狂いで頑張った挙句、ギリギリで4時間を切れないという最悪の結果を恐れたのだ。それは本当は、最悪の結果なんかじゃないのに。

次は絶対、最後まで死力を尽くして走る!誓います。

今回は湿度が高かったせいか、きついレースになった人が多かったらしい。私は暑さは平気だった。サンディエゴのマラソンも暑いし(もう少し、温度も湿度も低いけど)、今年の猛暑のなかを頑張って走ってきたし。おかげで順位は思ったより良かった。20405人中1512位。女性の中では9825人中327位。過去3回出たサンディエゴでのレースではいつも真ん中より後ろだったから、ずいぶん成長したよ。「走った距離は裏切らない」というのは本当だね。ただし、トムは例外。あまり走っていなくてもいい結果が出せる人もたまにはいるようだ。

折り返しのランナーをハイテンションで応援してペースを上げてしまったのが、後半脚にきた原因のひとつかもしれないけど、日本人女子で1位だった吉田香織さんの「風邪気味だったので体調が悪かったのですが、すれ違いの応援があったお陰で、盛り返しました。」というコメントを読んで、応援して良かったと心から思えた。
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おめでどう、おめでとう、おめでとう!!読みながら目頭が熱くなりました。すごいね、ともちゃんもトムも。東京に帰ってからすっかりランナーになったなーと思って見ていましたが、素晴らしい成果が出ましたね。努力にただただ脱帽です。ゆっくり休んでください。自分へのご褒美は何を買ったのかな?
Posted by H at 2010.12.17 03:00 | 編集
>Hさん
どうもありがとうございます。文章がとっても長くなってしまいましたが、フルマラソンのレース中って、色々なことを考えるのですよー。ゴルフと一緒で、レースマネジメントと精神力が大事です。
練習量が少ないトムに負けたのがちょっぴり悔しいので、次のレースでは追いつくように頑張ります!
4時間切りのご褒美に買おうと思っていたティファニーのネックレスをトムが買ってくれたのですよ。だから他に買うものはありません。トムは近いうちにきっと新しい腕時計を買うことでしょう。やたらと研究していますから(笑)。
Posted by tomo at 2010.12.17 13:24 | 編集
読んだのはずっと前だったのだけど、コメントが遅くなりました。ホノルルマラソンが終わってからは頻繁にアップされたかどうか確認していたのですよ。かなり気をもみました。(笑)Hがコメント一番乗りだと自慢していました。Hは数日後にもトムは4時間切ったのかぁ。すごいなぁ。とか色々と感慨深げでした。ランナーの端くれだからね。私は凄すぎる世界でとてもランナーにはなれませんが、大変面白く読ませてもらいました。青いポンポンつけたペーサーとか未知の世界を垣間見たし、順位は代ゼミの模試を思い出しました。とにかく、凄い!!!感動をありがとうです!!!
Posted by ゆーこ at 2010.12.23 02:13 | 編集
>ゆーこさん
コメントありがとう♪
最近物忘れが激しいので、レースの時の自分の気持ちを忘れる前に、急いで記事を書きましたよ。
すでに2週間経って、いろいろ記憶が飛び始めています・・・。
走らない人には、レースの事細かな内容は面白くないかなーと思っていたけれど、楽しんでもらえたようで良かったです。
サンディエゴのマラソンでは、完走タイムの15分ごとに公式ペーサーがいたのですよ。スタイルはさまざまですが、風船をつけたり、看板を持っているパターンが多いような気がします。青いポンポンは帽子から50センチくらいの長さの針金のようなもので取り付けられていました。
Hさんにもいつかレースにチャレンジしてみてほしいです。普段のランニングとは違う世界が垣間見れるのですよー。
Posted by tomo at 2010.12.27 16:45 | 編集
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